スプーン

このオールドスプーンの写真は、かつての釣友から頂いた貴重な一枚。今となっては、お店ではなかなか購入できない骨董品のような存在。メイドインジャパンは秀逸で実績高く、勿論、私も流行りのルアーを使う。しかし、なぜか旧式のスプーンがお気に入りである。

サラマンダー

パラバンが生んだ大物狙いの傑作。主に使うのが16gで私は写真のカラーリングを「ウシ」と名付けている。細身のシルエットで流れに強く、華麗なウォブリングアクションでイトウ・アメマスを魅了する。典型的なオールドルアーではあるものの、カップが適度に水を掴み、幅広いリトリーブスピードに対応しながらしっかりとアピールしてくれる。いろいろなルアーを使ってきたが、私はこのスプーンの動きが一番好きだ。歴史のあるルアーで釣ると喜びもひとしお。このスプーンでデカいのを掛けて「南無三」と言いたい。

バッハスペシャル

多くのルアーマンに愛されている超有名ルアー。サラマンダー同様、このルアーなしでは語れない。執拗に尻を振ってアピールするウォブリングアクションが得意なスプーンの名作。湿原河川にはやはり写真のコパーカラーがベストマッチ、浮き上がらないよう流れをしっかりつかませてからレンジをキープしつつ、巻いてくるのがコツ、釣果も上々となる。たった2gしか変わらないが、私はバッハの18gとサラマンダーの16gを使い分けている。人が手を施した金属の塊で、こんな素敵なアメマスが釣れることがすごいと素直に思う。

ドサンコ

ネーミングはあまりよろしくないけれども、このルアーに何度も助けられている。私の中では定番スプーンである。湿原特有の泥炭な水色にはやはりコパーやゴールドベースのカラーが映えること間違いない。特に雨後の濁りがきつい状況ではコパーカラーが超オススメ。ベントがきついサラマンダーやバッハスペシャルにディティールが似ているが、動きは全く別物。左のイトウは18gのコパーで手前まで寄せたのだが、岸高でネットを持ち合わせていなく、獲れないことを承知の上で丘から先に映した写真である。このルアーはまだまだお店屋さんに売っています。但し私はあまり出回っていないシルバーカラーの13gが最も気に入っている。 

トビー

アブと言えばトビー、実績高きいにしえの名作である。きついベントが激しいローリングアクションとウォブリングアクションを生む。細身の形状から沈めやすく、流れの効いたポイントでその威力を発揮してくれる。数あるスプーンの中でも欠くことのできない一枚なのだ。場所により流れの速さが違うのは当然、ただ巻いているだけじゃ浮き上がったり、回転するだけ、それだけで使い物にならないと思ってはいけない。流れに会ったリトリーブスピードを見極めることで、最強な泳ぎをこなす。スプーンの釣りが楽しめるのはそこであり、ルアーフィッシングの原典とも言える。

アトム

このルアーも釣れます。写真のアトムは20g、重すぎるのではないかと思われがちであるが、7ftの繊細なロッドでも違和感なく使えている。もじりを発見した時とか、濁りがきつくてルアーを強烈にアピールさせてバイトに持ち込む、そんなシーンが多い。グルグルしたその回転が見事なカラーコントラストを生み、魚にスイッチを入れる。中古釣具販売店などでたまに見かけるが、発見したら即、買うべし。お好みのカラーが無いときは、オリジナルのカラーで仕上げるのも楽しい。

シャグスプーン

エッグシェルのこのスプーン、トラウトだけではなく私をも魅了する、あまり書きたくなかった秘密のアイテムである。それくらい釣れます。とにかく釣れます。エバンスで出していた頃の本物は手元に数枚しかなく、パチもんはたまに売られていて、安価なこともうれしい限り、大人買いしている。多少、引きおもり(抵抗)が強いため、重厚な流れに対しては不向きではあるが、湿原系の河川で「フワンフワン」と流れをつかんだテンポの速い釣りがしたい時は持って来いである。細身のスプーンにはない楽しみがあり、これで釣ると上手くなった気になる。

ひな祭りの日に釣れたイトウ 「バッハスペシャル」
結氷間近に出てきてくれたイトウ 「瀾竜」